第2話・プレゼントを選ぼう!

 
 渡辺淳一文学館に見学に訪れたラビとみっつの二人は、好奇心から渡辺淳一の高校時代のラブレターを見学しに行った。だが、その達筆な文字が解読出来ず、二人は愕然とする。失意のラビは、玉ちゃんへのクリスマス・プレゼント探しをみっつに提案し、二人は大通りへの道を急ぐ事になる・・・。果たして、プレゼントは決まるのか!? 

 二人は、雪のちらつく中島公園内を雑談しながら歩いていた。
 ラビ 「なぁ、就職関係のメールって来てるかぁ?」
 みっつ 「ああ、かなり来てたな。けど、俺は公務員一本だから関係ないんだよな。」
 ラビ 「俺さぁ、一応、一般も受けてみて、受かれば就職しようと思うんだよね~。けど、公務員も受かったらどうしよう?」
 みっつ 「おいおい、受ける前から合格後の話かよ!エントリーとかは、してるのか?」
 ラビ 「それがさぁ!聞いてくれよ~!こないだ、エントリー
した企業からエントリー完了のメールが来てさぁ、思わず返信しちゃったんだよね!あれって、返信する必要あるのかなぁ?」
 みっつ 「・・・。返信する必要なんてないだろ!」
 適当につっこみを入れながらも、
 (この兎が!!そんなメール、明らかな媚売りだろうがぁ!!相変わらず、世渡りの巧さだけは絶妙のヤローだな)
 と、内心は悪態をつきながらも同時に、
 (俺がリクナビ等から来るメールを受信、即削除してんのに地味に登録してるとは・・・。意外に、真面目だなコイツも)
 と、微妙に見直していた。
 みっつ 「そういやさ、去年は何を贈ったんだ?」
 ラビ 「クッションだよ。」
 みっつ 「ク、クッション!?それで、玉ちゃんは何をくれたの?」
 ラビ 「彼女は、手袋をくれたよ。今年は、マフラーを贈ってくれるらしいよ。あの子は、ストレートだからマフラーは、12月24日迄は買わないでね!!って、言われたよ。」
 みっつ 「そ、そうなの?そりゃ、モロだな!んで、予算はいくら位なんだ?」
 ラビ 「1万円だよ。まぁ、贈り物は金じゃなくて心が大事だよ。」
 みっつ 「そりゃあなぁ・・・。」
 意外にマトモな事を言っているラビとみっつは、とりあえずロビンソンに向かった。そして、小物や雑貨の売り場のある階へと上がった。その直後・・・。
 ラビ 「クリスマスだし、この小さいツリーなんてどうだ?」
 みっつ 「へ~、どれどれ。」
 ツリーを手に取った、みっつの目に入ったのは[780円]という値札だった。
 みっつ 「おいおい、いくら気持ちが大事でも三桁はないしょ!」
 ラビ 「そうだよな~!あ、あれなんてどうだ~?」
 と、観るならタダとばかりにラビは見境なく、売り場を歩き回る。人形、蝋燭、ガラス細工など様々な品が目に付くが、決定には至らない。そして、行き着いたのはペット・ショップだった。
 みっつ 「ラビ、ペット欲しかったのかよ?」
 ラビ 「いや~、犬とかカワイイしょ!どうする~、アイフルとかさぁ!お、あの犬なんていいな!見に行こうぜ!」
 しばらく、みっつは頭を抱えていたが、すぐにラビの後を追った。ラビはある犬の前で固まっていた。「どした?」と声を掛けたみっつに対し、ラビは無言で値札を指差した。そこには、[380000円]と店員が調子に乗って0の数を1つか2つ、多めに並べたのかと疑いたくなる額が輝いていた・・・。
 みっつ 「おいおい、大学の授業料の半分は払えるぞ!この駄犬、一匹で!!俺達って、なんなのよ!!」
 ラビ 「家賃半年分、家賃半年分・・・・・」
 その値段の衝撃にみっつは激昂し、ラビは虚ろな目で呪文のように「家賃半年分」とつぶやいていた。しばらくして、正気に戻った二人は「逃げるぞ」「おう」とアイコンタクトを交わし、次の瞬間には、すごい勢いでエレベーターに飛び乗っていた!

 さて、次回は地下街に降り立った二人が、右に左にプレゼントを探して彷徨う!その先に、ラビが選択した物とは!?次回、第3話「ラビット、下着を所望す」

※この物語は事実を元に構成されたノンフィクションです。
           [総監督・原作・監修] 海ちゃん
           [脚本・シリーズ構成] みっつ


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